解説:機体の位置は地上から測る ― 外部カメラトラッキング

執筆者:

カテゴリ:

,

SLEIPNIR-ZERO の最大の特徴は、機体の位置を機体自身ではなく地上から測ることです。この記事では、その仕組みと理由を解説します。

なぜ機体に測位装置を積まないのか

飛行ロボコンは屋内(体育館)での競技なので、GPS は使えません。屋内で機体に自位置を測らせようとすると、カメラや測距センサと、その処理をこなす計算機を機体に積むことになります。ラジコン飛行機クラスの機体にとって、この重量と消費電力は無視できません。

そこで発想を逆にして、位置推定を地上に任せることにしました。地上なら重量制限も電力制限もないので、カメラも計算機も好きなだけ使えます。機体側はセンサの値を無線で送るだけの身軽な構成になります。

仕組み

  1. 飛行エリアを見渡せる位置に固定カメラを設置する
  2. カメラ映像から画像処理で機体を検出し、位置を推定する
  3. 機体から届くテレメトリ(気圧・姿勢など)と合わせて、地上局で機体の状態を把握する
固定カメラの視野内を飛ぶ機体をカメラが検出し、機体からはBLEテレメトリが地上局PCへ届く構成図
カメラが機体を見て、テレメトリと突き合わせる

カメラは動かさず固定にしています。カメラが動くと「機体がどこに見えるか」と「カメラがどこを向いているか」の両方を推定する必要が生まれ、問題が一気に難しくなるためです。固定カメラなら、画像内の見え方から機体位置への変換を事前の校正で決めておけます。

テレメトリとの融合

カメラの位置推定は、機体から降りてくるセンサ生値(加速度 1000 Hz・角速度 500 Hz など)と PC 上で突き合わせる計画です。カメラは「位置は正確だがレートが低く、見失うこともある」、IMU は「レートは高いがドリフトする」という互いに逆の性質を持つので、フィルタ(EKF)で融合すると両者の弱点を打ち消せます。機体側の飛行制御に欠けている「位置の基準」を、この融合結果が埋めることになります。

開発状況

地上局のトラッキングソフトは開発中で、リポジトリは準備でき次第公開します。進捗はこのブログで随時報告します。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

WordPress Appliance - Powered by TurnKey Linux